結局かのは、まゆとの恋バナをさらっと流して話を終えたのだった。

部活に行ってバリバリ楽器を吹いた後、塾に行き、疲れ果てているはずなのに、ケータイを見るとラインが来てるのを見て、ほっこりする。


「やっと塾終わって、家に帰ってご飯が食べれるっ」

かのは、やることが終わって、スッキリした気持ちで裕太にラインを送る。

「今日もお疲れ様。俺も今日は終わり!」

「ふふ、竹下も、おつかれ。」

「早く、ご飯とか済ませて来なよ。」

「うん、じゃあ、ごはん食べてくる」


ケータイを閉じ、ご飯を食べ、寝る準備まで済ませると、いつも日付が変わるような時間になっている。


その間も、会話が途切れるのが嫌で、忙しい時は未読にして、話題がない時でもスタンプを送ったりする。


しばらくたわいもない話を続けていると、裕太から驚く内容の話がきた。


「そういえばさ、俺。クラスの女子に内田と付き合ってるのか聞かれた。」


かのは、もう少しでケータイを床に落とすところだった、


「ええええ!それってダメなやつじゃん…、なんて言ったの?」

「付き合ってないって、彼女がいるって言っておいたよ。」

「…そっかぁ。ごめんね、わたしが気安く話したりするから…。」

「いやいや、なに言ってるんだよ。今日は特に、俺が話しかけたし。内田と話すの楽しくて、つい、電話の時みたいになっちゃうんだよ。」


かのは、ふと、思った。

後ろめたいって思ってるあたり、もうアウトだよね…。