「じゃあその頃から好きだったのかな?」
あ。
「今、あたしもそれ思った!」
「私は大輝がじゃなくて、雪菜さんがってことなんだけど。」
「あ、そっち?
じゃあ大輝は?」
「私が思うになにか理由があるじゃないかな?」
理由?
不倫に理由なんて…
「あるわけないよ!」
「もう1回よく考えてみなよ。ね?」
「真央にはあたしの気持ち分かるわけないよ!!!!!!!!!!!!
………………あ…ごめん。」
完全にカッカしてる。
真央にまであたっちゃった…
あたしのことで真央にまで迷惑かけてるのにまた……
「今日はもうこの話やめよ。
明日、気持ちが落ち着いたら話そうよ。」
「真央…ごめんね。ありがとう。」
「気晴らしに近くにある公園に行こうか!」
「そうだね!美音連れて行ってもいい?」
「もちろん!行こ!」
あたしのために色々やってくれる真央にはほんとに感謝。
あんなに当たってしまったあたしに、怒らずに優しくしてくれる。
真央がいて良かったよ…。
第3章
『キモチ』
______大輝Side___
美雪が家を出て行ってから、1週間。
連絡も一切とってない。
美雪とちゃんと話したい。
誤解が解けるか、分からないけど。
『美雪。ふたりで話せないかな。
ほんとのこと言いたい。』
…送信。
会ってくれるかな。
美雪にとって、自分を裏切って不倫した男と。
もし会えたなら……あれを持って行こう。
____美雪Side____
ピピピピピピ
「…おはよー」
「あ、起きた!おはよう!美雪!美音ちゃんも!」
真央の家にお世話になり始めてから、1週間。
そろそろ迷惑だよな…って思いながらも、まだ心の準備も出来ていない。
この先の展開を知るのが怖くて。
「美雪…帰ろうか迷ってるの?」
真央ったら、鋭い。
「そうなんだけど…怖くて。」
「ちょっとそこ座って?」
「うん。」
今では日常にもなりつつある、この白いソファ。
今日は紅茶を持ってきてくれた。
「美雪さ…大輝が不倫したと思ってる?」
「うん。じゃなきゃここにいないよ。」
「私もホントの事は分からないけどね?
どうして不倫したのか……聞いたことある?」
それは…
「ない。」
「なんで大輝は不倫した理由言わなかったのかな?」
「言わなかったじゃなくて……言えなかった。
あたしが話さえぎって…決めつけてた。」