その時だった。

頭の中で響く通坂くんの言葉を断ち切るように、遙が声をあげた。

「違うだろ、隼真。」

そう言うと遙はふらりと立ち上がり、通坂くんの服の襟をつかむ。

「なぁ、違うだろ。何ズルズル引きずってんだよ!」

遙が通坂くんに怒鳴りつける。通坂くんが俯く。

「お前は昔からいいとこだけ持ってくような最低なヤツだっただろ!

何今さらカッコつけてんだよ・・・・・・・・。」

だらん、と遙の腕から力が抜けた。