二人で遥の後ろ姿を見送った後、私たちは家に向かって歩き始めた。

さっきまであんなに明るく話してたのに、一言も話すことなく家に着く。

なんか、やだな…。

今まで遥の隣にいたのは私だったのに…。

不思議な感情が押し寄せる。

私はそんな気持ちを忘れたくて、通坂くんの部屋に行った。

「宿題、分かんないとこ教えて。」

通坂くんはいつも通りの笑顔で教えてくれる。

「遥に彼女がいたのがそんなにショック?」

ふと通坂くんが聞いてくる。

「ん~、ショックっていうより、違和感がすごいっていう感じ?」

私は不思議な感情をなんとか言葉にしようとする。

こっちの方が、宿題より全然難しい。

「俺はおまえといることに違和感を感じねぇーんだよなー。」

なんでだろ、と考え込む通坂くん。

確かに私たちは、信じられないようなスピードで仲良くなっていた。