私はその時、初めて恋を意識した。

遥が言ってた『好き』は、恋だと思ったから。

私の通坂くんに対する気持ちが、恋だと思ったから。



「遥、どうしたんだろう。」

通坂くんが、空を眺めて呟いた。

「どうしたんだろうね。」

私は今日も、何も知らない振りをする。

遥が、私の気持ちを知ったからだと気付いたから。

遥も私も、お互いをただの幼なじみとして、見れなくなっことに気付いたから。