―昼休み。

通坂 隼真の転校はあっという間に学校中に広まった。

ほぼ全校生徒が集まるという大騒ぎに。

居場所を無くした私たちは、普段は立ち入り禁止の屋上にいた。

もちろん許可はもらってある。

「悪いな…。」

空を見上げながら呟く通坂くん。

その姿は、すごく悲しそうに見えて

「ううん、私、屋上に入ってみたかったんだ!」

と明るく話した。


こんな日が何日も続いた。

通坂くんは、想像以上に面白くて、屋上で3人で喋り倒すのが、日課になっていた。