「…あ。…おはよう。千里」


俺と、南の家の中間地点。

学校への道の曲がり角。


やっぱりお前は、立っていた。

不安そうに眉を八の字に下げて、俺の言いつけを律儀に守った姿で…


「…今日もいたんだ」


今日も南がいた。
安堵のため息をついたはずなのに、

漏れでたのは、呆れたようなため息。


「…うん」


南は、それにビクリと肩を縮こまらせて気まずそうに頷いた。