「舞ちゃんの演技、びっくりしたわ。あなたも気付いたでしょ?舞ちゃん、女優になるべきだと思う!!」
「あいつ、本番に強いタイプなんすよ、それに何事にも真剣だし。だから女優には向いてると思います」
「でしょ!?前のジュエリーの撮影の時も思ったけど、顔だって整ってるし、スタイルだって申し分ないわ」
「だけどならないと思いますよ、あいつは。
啓人が...あいつの彼氏が、そんなの許さないと思いますから」
ーー。
「ごめんね、啓くん...」
「舞のせいじゃないでしょ?それに今日のお詫びってことでホテル延長してくれることになったしさ」
「あ、うん...」
それも、そうなんだけど...それよりも...
「キスだって、舞は悪くない。祐誠がしたことだから」
びくっ、と肩が震えた
ド直球で触れてきた...
私でも稀に見るくらい、啓くんの瞳の奥は冷たくて、怒りの感情を必死に抑えているみたいだった
室内に入り、シャワーを浴びる
祐誠、なんでキスなんか...
そういえばこの前、桃寧ちゃんが祐誠が私にキスしたって、学校で言ってたよね
「祐誠...」
それから、夕ご飯を食べている間も、私は祐誠の事が頭から離れなかった