「あ、はいっ...!」

「この話はまた後でだな」

「うん...」




啓くん、まさか祐誠に言ってなかったなんて

しかも、"嘘"までついて...どうして?




「台詞覚えてるか?」

「大丈夫だよ、キスの角度も平気。
まずは浜辺を一緒に歩くシーンだよね。こんな感じでいい?」




ぎゅ、と祐誠の手に自分の手を重ねて、恋人繋ぎをする

うわ、祐誠と手を繋ぐとか、久しぶりすぎ


最後に覚えてるのは、あの撮影で手を引っ張られた時だ


やっぱり、男の人の手ってゴツゴツしてて大きい




「俺たちはめっちゃうざいアツアツカップルなんだから、このぐらいしないとダメだろ」

「っわぁ!?ちょ!?」




祐誠は無理やり繋いでいた手を離し、
あろうことか祐誠の腕と私の腕が絡み合うような体制にしてしまった


む、胸が祐誠の腕に当たってる...




「変態」

「あのさぁ、お前の胸なんかで俺がドキドキするとでも思ってるのか?
お前の胸より演技のほーが大事だ」

「あーあーすいませんね、奥村さんのナイスバディには敵いませんよー」