「誰にも言ってなかったけど、私本当に辛かった。2年生のあの日から。祐誠と奥村さんが付き合ったって報道された翌日から」




そう、私はすごく悲しくて、辛かった


祐誠に無視される日々は、苦痛でしかなかった




大切な人をひとり失うのは、とんでもなく辛いこと


だから今こうしてまた話せて、本当に嬉しいの




「祐誠、また私とお話しようよ...あの時みたいに、私と仲良くしてよ...」

「舞...お前には啓人がいる。俺は必要ないだろ」

「...なんでそこで啓くんが出てくるの...?」

「お前らは付き合ってるんだろ?だったらあいつに悪いだろ、俺達が仲良くしてたら」




祐誠は視線を啓くんに向けた

私も、続いて啓くんに目を向ける




啓くんは、静かに私たちを見ていた

怒るわけでも、笑うわけでも、悲しむわけでもなく、ただただ私たちを見つめている




今、なに考えてるの?




「そういえば、今言うことじゃねーけどさ」

「...なに?」

「おめでとう、この前聞いた、お前とあいつがしたってこと。
まさかこんな話を舞とするとはな」




え?




「なんの話?」

「とぼけんなって、この前お前ん家にあいつ呼んだだろ?」

「う、うん...」

「で、したんだろ?あれ」

「あれって...え、祐誠、聞いてないの...?」




あの後、実は...




「舞ちゃん、祐誠くん、もうそろそろ撮影開始するよ!」