机に座って雑誌を広げるマリに目を向けた。
マリも私を見ていた。

ギクリと体が一瞬強張ったのは、きっと気のせいじゃ無い。


「今何か面白いこと考えてたでしょ?ソノ。」


綺麗な顔をまた綺麗に歪ませながら妖しく笑う。

薄茶色の瞳が私を捉えて逃さない。


「教えてよ。」


マリにつられて、カヨもナミもリサもこっちを見る。私を見る。



「あ、、、あいつに、、、」


大事なのは愛嬌だ。



「この雑誌持ってって話しかけたら」


笑わないと。


「きっとオドオドするんだろうなって」


マリが笑ってるんだから。


「アイツ生きるの下手そうだよね。」



愛嬌は武器だ。

だから私は笑って、そう言った。