桜坂高等学校。
進学校として有名な都立高校。

私の居場所はそこにあった。


入学して1ヶ月。友達もできた、成績もそこそこ、恋愛もまぁ、そこそこ。

私、園崎聖理奈(ソノザキ セリナ)はこれから先もこのまま、楽しいスクールライフが待っているとばかり思っていた。


「ソノ〜!!おっはよぉ!」

昇降口で靴を履き替えようとしてる私の背に、人の重みが乗っかった。
思わず鈍い声が漏れる。


「カヨか、おはよ。」

私の上におぶさった金髪ポニテの女子に苦笑いを浮かべる。

「ソノ、カヨ、おはよう。」


2人の後ろから品のある声が響いた。
振り向くと案の定だ。

「マリおはよう。」

マリの後ろには香澄と有紗がいる。


マリは私たちの、いや、
この高校の女王様だ。