「遅くなったのは例のあれですよ。あれあれ」
文美ちゃんがそう言うと、2人は納得したように腕を組んで頷いている。
「また来ちゃったかー」
「葵も大変だね」
「う、うん…」
「葵は可愛いからね〜こんな美少女がいちゃ、ほっとけないのも分かる」
び、美少女って…そんな事ないのに…。
むしろこの3人がモテても、おかしくないと思うけどな。
私なんてただの地味なごく普通の高校生なのに、モテるのはあり得ない事。
「葵。今、私なんかモテるわけないのにって思ったでしょ」
うっ…。
さすが文美ちゃん。
その通りでございます。
「葵。あなたは、この学校の姫だからね?分かってる?」
「姫…?どうして?」
3人は「マジか」とでも言うようにため息をつく。
「とにかく葵は、この学校で一番綺麗で可愛いから学校の姫って呼ばれるよ
うになったの。分かった?」