文美ちゃんが来てくれて安心したのか涙が出てきた。
「その汚い手をどけろって言ってんだけど?」
文美ちゃんは完全に怒りモードだ。
「み、宮川(ミヤカワ)さん…!」
「げっ、宮川じゃん…」
「やば…」
怒っている文美ちゃんにビビったのか、男子たちは走って逃げた。
「葵ごめんよ!うちが寝坊せんかったら、こんな事にならんかったのに…」
と言って撫でてくれる。
「大丈夫だよ。文美ちゃんが助けてくれたから」
「そっか。今度同じ事起きないように、うちが守るからね」
文美ちゃんは優しいな。
私と文美ちゃんが仲良くなったのは中学生の時。
私が男嫌いだと知ってるのに、なぜ男嫌いになったのか一切聞いてこなかっ
た。
いや、聞かないでいてくれたんだ。
その時、私の事ちゃんと気遣ってくれているんだなって嬉しくなった。
そんな文美ちゃんが私は大好き。
私が唯一信頼できる大親友なんだ。
「ほら、葵。もう学校見えてきたから走って行こっ」
「うん!」
私達は学校まで走って行った。