「瞬くたびに移り変わるから……」
「え?」
葵が不思議そうな顔をする。
「先輩が前に言った言葉です。だから今の景色を写真に残すんだ、って」
それを聞いて、葵は目線を落として唇を結ぶ。
「今の俺がそうだな。記憶がなくて四年前のまま足踏みしてるけど、時間は確実に流れてる」
ひとり言のようにそう言うと、帰ろうか、と静かな声で言った。
二人並んで歩く道に、街灯の明かりが落ちている。
歩みを進めるにつれ深くなっていく闇に、その白い輝きが際立つ。
言葉を交わさないままいくつかの角を曲がり小道を抜け、広い道に出た時、その先に見える駅の方から暖かな光があふれているのに気が付いた。
帰路を急ぐ雑踏の中で輝くそれは、建ち並ぶ店の先に吊るされたオーナメントだった。
「そうか、もうすぐクリスマスか……」
「はい。そういえばもう来週ですね」
「クリスマス、会おうか。二人で」
歩みを止めて結々の方を見る。
軽く微笑む葵の姿が、結々の瞳の中で、背景の光に溶け込んで儚く揺れた。
「クリスマス、一緒に過ごそう。鈴本さんの行きたい所どこでも、今度は俺が付き合うよ」
「え?」
葵が不思議そうな顔をする。
「先輩が前に言った言葉です。だから今の景色を写真に残すんだ、って」
それを聞いて、葵は目線を落として唇を結ぶ。
「今の俺がそうだな。記憶がなくて四年前のまま足踏みしてるけど、時間は確実に流れてる」
ひとり言のようにそう言うと、帰ろうか、と静かな声で言った。
二人並んで歩く道に、街灯の明かりが落ちている。
歩みを進めるにつれ深くなっていく闇に、その白い輝きが際立つ。
言葉を交わさないままいくつかの角を曲がり小道を抜け、広い道に出た時、その先に見える駅の方から暖かな光があふれているのに気が付いた。
帰路を急ぐ雑踏の中で輝くそれは、建ち並ぶ店の先に吊るされたオーナメントだった。
「そうか、もうすぐクリスマスか……」
「はい。そういえばもう来週ですね」
「クリスマス、会おうか。二人で」
歩みを止めて結々の方を見る。
軽く微笑む葵の姿が、結々の瞳の中で、背景の光に溶け込んで儚く揺れた。
「クリスマス、一緒に過ごそう。鈴本さんの行きたい所どこでも、今度は俺が付き合うよ」