運転席に座る奈緒くんが凄くにやけている。

「奈緒くん、何笑ってるの?」

「いや…春、大事にしないと、傷付けたら翔が怒鳴りに行くぜ」

「分かってます」

2人の会話はまた意味不明だ。

いつも通り登校すると、莉奈とその隣にこの前の黒髪青年が立っていた。