「大我君〜〜」




昼休み。


菜々花ちゃんに お昼遅れるねと言って大我君を探し中。




どこにいるんだろう?



外かな。今日は いい天気だし。





「大我君〜?」



中庭の方へ、足を進める。


少し...足が重いのは気のせいかな?



午後の授業、休ませてもらおう。






「え〜。 口じゃなきゃダメなの?」



その時、中庭のベンチの方から 大我君の声が聞こえた。



甘く、いつも通りの声。



...よかった。 機嫌悪くないよね?



一緒にいるのは幾斗君達かな?




背の高い花壇を抜けて、ベンチへ目を向けると...。





「んっ...」



大我君と可愛くて美人さんが...





キス、をしていた。




大我君の右手は反対側の女の子の腰。

左手はキスしている女の子の頬。



「あ〜大我!

私もしてぇ〜」


反対側の女の子は、大我君のネクタイを掴んだ。



「はいは...」



その時、正面で固まっていた私と大我君の目線が重なった。



瞬間、零れる大粒の涙。



いや、だ。


みない。みたくない!





「ごっ、ごめんなさ...」



すくんでしまう足を、必死に動かして 私は思いっ切り走った。