延々とそんな遊びをしていたのだろう、船内はまともな人間

では耐えられない悪臭が充満していた

パチーン船外から音がした

「なにか、かかったみてーよ」

トローリングのフックがはずれた音らしい

リールを巻き上げると大型のカツオがかかっていた

「よし喰おうぜ」

そう言うと小型のナイフで魚をズタズタに切り裂いた


喰うと言うより解体して楽しんでいるのだった

デッキにはそんな遊びでズタズタにされたカツオやシイラ小型のマグロの

血と肉片がところ狭しと散乱していた



酔いの回った彼れらはその血を体に塗りつけて遊んでいた

「おいあれ見ろサメじゃねーの」

海面に背びれが見え隠れしていた

「バーカ、あれはイルカだよ、おい船止めろよこっちにくるぞ」

近寄ってきたイルカに男はもりを投げつけた

酔っているくせに一発で命中した