「そんな顔しないでよ。私が一つ一つ選んで作ってもらったのよ?」

女はむくれた表情をしながら、私の側まで近寄る。花束が私の体に触れるかどうかの距離まで近寄ると、女はその場にしゃがみこみ私の足下に花束を置いた。
やはり、花束は供え物だった。私の足下には足の踏み場が無いほど物であふれかえっていた。物の多くは女の持って来た花束だが、中にはスナック菓子や缶ビールが置かれている。
私は透けている足下越しにそれらを眺め、あらためて女と対峙する。女は喪服に腕には薄桃色の数珠を付けていた。

「貴方の身体とお別れしてきたわ」