「えっ、あたし?」


「ちょっと宿題でわかんないとこがあって。萌は頼りになんないし…」


え〜、由依も頼りになんないわよ〜、とケラケラ笑うお母さん。

いや、こう見えて成績は一応、中の上だからね?


「おっけー。教えてやろうじゃないの」


ーーなんて、言ってみたものの。



「ぜんっぜん、わかんない!!なにこれ!難しすぎ!」


ポリポリと頭を掻くあたしの横で、樹くんはフッと笑った。

荷物は萌の部屋にあるからと、今は萌の部屋で樹くんと二人きりだ。

一瞬、さすがに二人きりは、とは思ったが萌はそういうの気にしないタイプだしいっか。

と、まあそういうことを気にすることができないくらい難しい問題を樹くんに解かされている。


「こんな難しい問題やってんの!?」


樹くんはあたしと同じ学校なはずだけど、

あたしが1年のときはこんな難しい問題なかったよ!?