「…少しは樹くんを見習って手伝いでもしたらどうよ…」


あたしのベッドに寝転がるヒカルの上に鞄を放り投げた。


それを見て千尋は苦笑い。


「何よぉ、由依だってお手伝いしてないじゃない!」


「あたしは誰かさんと違って、今からちゃーんとしに行きますよー」


んべ、とヒカルのように舌を出してみたがどうも上手く決まらない。


なんでヒカルはあんなに可愛くできるのか。




「お母さん、ただいま」


あたしが帰ったことにまだ気づいてないであろうお母さんに声を掛けた。


お母さんの隣には、樹くんがいる。



「樹くんってほんと偉いよね。ヒカルや千尋とは全然違う」



千尋もなんだかんだ言ってあたしの部屋でくつろいじゃっているし。


ヒカルや千尋と一緒にいるせいか、

樹くんはあたしの1つ下なのにえらく大人びて見える。


「樹くんもくつろいでていいのに」



お母さんが困ったように笑う。


内心、


イケメンと一緒にいれて幸せ♡


なんて思っているんだろうけど。


「…じゃあ、ちょっとだけ。由依さん借りてもいいですか」