「ただいま〜」
玄関にローファーが3つ増えていることから幼馴染み兄妹と、妹の彼氏が来ているということは予測できた。
またうるさいのが来たなぁ……
なんてため息をつきながらも、こうやって大好きな4人と一緒に家で過ごせるのはとても楽しみだった。
「由依おっそーい!寄り道してたのー?」
部屋のドアを開けると一番に聴こえたのは、あたしと同い年の幼馴染み、小野ヒカルの声だった。
ヒカルは長い髪を頭の高い位置に結い、それをぶんぶんと振り回す。
ヒカルは家から近い高校に通ってるからあたしよりも早く家に帰りつくのは当たり前だ。
「あれ?萌と樹くんは?」
靴はあるのに姿が見えないカップル。
まさか自分の部屋でイチャイチャしてるんじゃ…!
「萌は罰ゲームでコンビニに買い出し。樹くんはおばさんの手伝い。」
優しい声であたしの疑問に答えてくれたのは、ヒカルの兄、小野千尋。
あたしの2個年上で、大学生だ。
千尋のような幼馴染みがいるせいで、同学年の男子がどうも子どもっぽく見えて仕方ない。
「何?今日もご飯食べてく気?」
「えへっ、ご馳走になりまぁ〜す」
可愛く舌を出しながら笑うヒカルは同い年とは思えないほど童顔で、かわいすぎる。