「うーわ懐かしい! マジで俺ここ中三以来!」
「そうだよね、私も」
空高くから下っていくジェットコースターの轟音と、キャーっと高らかな悲鳴。
園内に流れる軽快な音楽が、澄み切った青空にこだましている。
ワクワクするような賑やかさに包まれた遊園地。
中三の卒業間際にクラスで来たときから、たぶん何も変わっていない。
それなのに、もう、ずいぶん昔のことのように感じる。
いや、違う。
本当にずいぶん昔のことなんだ。
もう、五年も前の話なんだから。
「雪瀬、何から乗る?」
綾月は、興奮したように目を輝かせて訊いてきた。
「観覧車に乗るんじゃなかったの?」
「それは最後。そういうもんじゃん」
「そう……なの? じゃあ……」
言いながら辺りを見回してみて、目に映る乗り物を確認していく。
ジェットコースター。ウォータースライダー。コーヒーカップ。空中ブランコ。
絶叫系は苦手。
目が回るような乗り物も、すぐに酔ってしまう。
よくよく考えれば遊園地で乗れる乗り物はほとんど無いことに気が付いた。
かと言って、メリーゴーランドも。この歳で、カップルでもないのに、なんだか恥ずかしい。
「えーっと……」
視線をあちこちに泳がせていると、綾月の顔が視界に割り込んできた。
「もしかして雪瀬、絶叫系苦手?」
「えっ、あ、えっと……」
目を輝かせていた綾月のことを思うと、頷くべきか迷って歯切れの悪い声ばかりが漏れる。
遊園地に行く約束を承諾しておきながら、今更、ほとんどの乗り物が乗れません、なんて。
……言えないな。
「ううん、なんでも乗れるよ」
言って、しまった。
「ほんとに?」
そう訊く綾月に一瞬気持ちが揺らぐけど、もう後には引けない。
覚悟を決めて頷くと、綾月は「そっか」と笑った。
大丈夫、大丈夫。
中三の時だって、我慢して乗ってたんだから。
チケット代も綾月が強引に払ってくれたし、綾月に楽しんでもらわないと申し訳ない。
「そうだよね、私も」
空高くから下っていくジェットコースターの轟音と、キャーっと高らかな悲鳴。
園内に流れる軽快な音楽が、澄み切った青空にこだましている。
ワクワクするような賑やかさに包まれた遊園地。
中三の卒業間際にクラスで来たときから、たぶん何も変わっていない。
それなのに、もう、ずいぶん昔のことのように感じる。
いや、違う。
本当にずいぶん昔のことなんだ。
もう、五年も前の話なんだから。
「雪瀬、何から乗る?」
綾月は、興奮したように目を輝かせて訊いてきた。
「観覧車に乗るんじゃなかったの?」
「それは最後。そういうもんじゃん」
「そう……なの? じゃあ……」
言いながら辺りを見回してみて、目に映る乗り物を確認していく。
ジェットコースター。ウォータースライダー。コーヒーカップ。空中ブランコ。
絶叫系は苦手。
目が回るような乗り物も、すぐに酔ってしまう。
よくよく考えれば遊園地で乗れる乗り物はほとんど無いことに気が付いた。
かと言って、メリーゴーランドも。この歳で、カップルでもないのに、なんだか恥ずかしい。
「えーっと……」
視線をあちこちに泳がせていると、綾月の顔が視界に割り込んできた。
「もしかして雪瀬、絶叫系苦手?」
「えっ、あ、えっと……」
目を輝かせていた綾月のことを思うと、頷くべきか迷って歯切れの悪い声ばかりが漏れる。
遊園地に行く約束を承諾しておきながら、今更、ほとんどの乗り物が乗れません、なんて。
……言えないな。
「ううん、なんでも乗れるよ」
言って、しまった。
「ほんとに?」
そう訊く綾月に一瞬気持ちが揺らぐけど、もう後には引けない。
覚悟を決めて頷くと、綾月は「そっか」と笑った。
大丈夫、大丈夫。
中三の時だって、我慢して乗ってたんだから。
チケット代も綾月が強引に払ってくれたし、綾月に楽しんでもらわないと申し訳ない。