友達と彼は、付き合うことになった。
「今まで協力してくれたおかげだよ! 本当にありがとう!」
「お前、協力してくれてたんだな! ありがとな!」
二人は両想いだったらしい。
そう言った二人に、私はちゃんと笑えていただろうか。
それから彼とはほとんど話さないまま、中学校を卒業した。
彼のいない高校生活が始まり、新しく友達もできて、吹奏楽部にも入って、勉強は少し大変だったけど楽しい毎日。
高校で出来た友達は、今や親友と呼べるほどの仲。
「ほんとに一途だね~、まだ初恋の人忘れられないんでしょ?」
「……うん」
「周りにも男はたくさんいるのにね~」
ずっと彼のことは忘れられなかったけど、もう、それでよかった。
新しい恋が始まるなんて、思いもしなかった。