「そんな、私が床でいいよ」

「じゃあ、一緒にベッドで寝る?」

「えっ?」

「嘘だよ。俺も疲れてるし、早く寝よう」


弘くんはクッションを枕にしてカーペットの上にゴロンと転がった。


「ごめんね」


気を使わせちゃって。


陽が昇る時間なのに、雨のせいでまだ夜が支配しているみたいだ。

『明けない夜はない』って誰かが言ってたっけ。こんな時はそれを信じたい。


お布団...暖かい。

弘くんの優しさと、徹さんに対する悲しみがぐちゃぐちゃになって頬を涙が伝う。


私は弘くんに悟られないように布団をかぶった。