「何となく、お前と六ツ島さん付き合ってる気がしてたんだよなぁ」


ゴクリと弘くんはカップの紅茶を飲みながら、重い口を開いた。


「どうしてそう思うの?」

「だから何となくだよ。風花が大奥に呼ばれた時から嫌な予感がしてた」

「イヤな予感?」


弘くんの顔をのぞき込むと、彼は私から視線を外した。



「そっ。六ツ島さんは絶対風花を気に入ってる。ってさ」

「...そっか」

「あいつになんか酷いことされた?」


私は無言で首を振る。


「じゃあ、どうして泣いてたんだよ?今だってあいつの話をすれば泣き出すし」

「お願い...聞かないで」

「分かってるよ、分かってるけど...」


弘くんは乱暴に床に拳をあてた。