そんな中にバスローブを着たままの徹さんが、うつ伏せでスヤスヤと寝息をたてて眠っているのが見えた。

なんだ、ねちゃったの。

室内に足を進め彼の眠る横に腰掛ける。


「ちゃんとお布団に入って寝ないと、風邪ひきますよ」


答えはない。


「やっぱり疲れてたんだ」


緊張が緩み、どこかホッと胸をなでおろす私がいる。少し前にあれだけ恥ずかしいことを言ったのに。思い出したら、顔から火が出そうだ。


「ねぇ、徹さん。私、とても幸せなんです。軽井沢の教会で永遠の愛を誓ったし」


綺麗な横顔に話しかける。



「睫毛長いなぁ。鼻も高いし」

私は彼が寝ているのをいいことに、その顔に触れた。


「あはっ、やっぱり髭は少しザラザラしてる」

その時だった。


「う~ん」


彼が寝返りをうった。