シャワーを終えて戻ってくると、そこに徹さんの姿は無かった。


ソワソワと落ち着かない。

こんな時はどうしたらいいのか全然わからない。


まるで迷子の犬のように、広いスイートの中をウロウロとする。

落ち着いて座ってなどいられない。




「べ、ベッドルームを見てこよう」


一体何のために?

自分にツッコみをいれながらも、足はもうそちらへ向いている。


カチャリ。ゆっくりとドアノブを回して、恐る恐る中を覗いて見るとそこは。


天井から下がるシャンデリアの灯りは落とされ、ベッドの横に置かれたルームライトだけが黄色い光を放っていた。


目をこらせば、キングサイズのダブルベッドにレースの天蓋。


二つ並んだ枕がどうにもいやらしい。

私は喉が上下するほどゴクリ、息を飲んだ。