窓辺に立つ私を...急に後ろからフワっと長い腕が抱きしめた。

いつの間にか徹さんがお風呂から上がっていた。



「風花も早く入って来い」


耳元で甘くささやく声。


「ここにいることを後悔しているのか?」


私は首を振る。


「俺の手からすり抜けないでくれ」


甘く優しい声は私の心をとろけさせる。


「私...徹さんのこと愛してます。苦しいくらい」

「俺もだ」

「だから...苦しみや不安が消えるくらい愛してくれますか?私を壊れるくらい愛してくれますか?」

「お前の苦しみや不安?」

「...好きだから」


彼がギュッと後ろから、息ができないくらい抱きしめてくる。


「...ああ」


彼は短く答えた。