少し色づいた葉っぱたちが道路の至る所に転がっている。
 黄色や少しだけ赤くなっている葉っぱたち。
 ところどころにまだ、緑色のもある。

 そんな葉っぱをカサカサ音を立てながら1人、
一心不乱に目的地へ走る私。

 (もう、こんな大事な日にお兄ちゃんは先に行っちゃって。妹が可愛くないのかしら?!)

 目的地の建物が見えた途端に少し気が緩んだ。
 ただ、それは気持ちだけじゃなかったらしい。
 足がもつれて、盛大に前のめりにズッコケた。
 
 シーン。。。
 辺りが静かになった。

 (は・・恥ずかしいぃぃ)

 ジンジンと両膝が痛い。
 たぶん、いや絶対に擦りむいて血が出てる。

 『ぷっ・・・だせぇ』

 のろのろと起き上がる私の耳に聞こえた声。 
 洋服を直しながら、声の主に視線を向ける。

 視線の先には、私よりも幾分小さめの男の子が立っていた。
これが、私と梓(あずさ)の出会い。
小学校4年生の初秋。