そのあとも様々な話をした。


といってもほとんどが下ネタで、若さ溢れる話題ばかり。


素敵なサド気質の男性像だとか、マゾの特典だとか、大切なのは思いやりだと言うテクニックだとかベッドマナーだとか。


時間も忘れて、私達はそんな下らない話で笑いあい、時には共感し、意見を交わし合う。




九時を回った頃、あかりちゃんの門限の問題があり、簡単な別れの挨拶をして私達はそれぞれ帰路についた。



渡しはたまに考える。
別に彼とはやましいだけの関係ではなく、仕事の話や下らない雑談、相談だけで終わる日だってある。


彼はただ、わたしの欲望に己の一部を貸しているにすぎない。


己がオーナーを勤める店で働いているアルバイトの、性欲処理の手伝いにすぎないのだ。

事実、彼は言った。

きっと、みさ以外の人間でも頼まれたら俺は指をかすやろ。そんな人間やから。

わかってる。
自分が特別じゃ無いことくらい。