「今日は偶然続きで本当にビックリ…
だって、もう一つすごい偶然を見つけたんだもん」
麻子は聡介が買ってきてくれたチョコミントのケーキを頬張った。
「だって、私の初恋の相手も秋山くんだったから…」
聡介は飛び上がるほど驚いた。
「え? でも、俺が初恋の相手だったら、今朝ぶつかった時に何で気付かなかったん?
俺はすぐに気付いたよ、神谷だって…」
麻子は聡介の話をちゃんと聞いているのか、美味しそうに夢中でケーキを食べている。
「だって、秋山くん、中学の頃髪の毛なかったじゃない?
今、こんなに普通になって、きっと他の人でも気付かないよ」
聡介は苦笑いをして天井を仰いだ。
確かに神谷は変わらない。
この天然っぷりは今でも健在だ。
「神谷、俺達、付き合おう。
いや、絶対、付き合う。
だって恋のキューピット様が、俺達にチャンスをくれたんだからさ」
「恋のキューピット様だなんて、秋山くんの口から出るのマジ可笑しい」
聡介も麻子も心から笑った。
やっと出逢うべき人に出逢ったみたいな、そんな不思議な感覚を覚えながら。
神谷はチョコミントが好き…
俺の大好きな神谷は、何回聞いてもチョコミントがやっぱり好き…
ちゃんと覚えておこう…
神谷に何かプレゼントする日が来た時、絶対チョコミントにしなきゃならないから…
チョコミント… チョコミント…