「ねぇ、健くん?どこ行ってるの?」
何も言わずにひたすら歩く健くん。
それにひょこひょこついて行く私。
「…おまえ。大体、無防備なんだよ。」
「へ?」
口を開けば変なことを言い出した健くん。
「あのさっきのアイツだって、お前に隙がありそうだから寄ってきたんだよ!」
「そ、そんなことないじゃん!ハンカチ拾ってくれたの!!」
「はあ、お前もなんなんだよ。ほんと」
私は健くんが何に怒ってるかわからない。
でも、ひとつ分かることは、あの先輩に対して嫌な気持ちになってる。
なんでかな。なんでだろ。
「もう今日は寄り道なし。」
「え、なんで??」
「とりあえず帰れ。」
「え、、、、、うん。また連絡するね?」
「…じゃあな」「、ばいばいっ!!」
私は健くんの姿が見えなくなるまで見送る。
いつもはガッチリした男らしい背中が、今日は寂しそうに感じた。