「だ、大丈夫ですか?」



「ご、ごめんなさい大丈夫です、続けてください」



恥ずかしさにそれ以上何も言えず、ただただ早く終わって欲しいと願った。



「で、では……執事として働きたいと思った理由はありますか?」



そう質問するのは佐伯財閥の長男、佐伯郁人。



頭脳明晰でインテリ系イケメン。



隠れSなのでは、と女性の妄想からひどく人気が高い人物。



「あ、えと…お、お金がほしくて…」



「は、はぁ」



私の答えに、郁人さんはずり落ちたメガネを直しながら困ったように頷いた。