いつも迫られてドキドキして、それが変に私を惑わせたのではないだろうか。



恋の経験がない私にそんな違い分かるはずもない。



曇る窓ガラス。



その向こうでは、しんしんと降る雪たちがゆっくり舞い降りていた。



それから自分がいつ何をして、どんな仕事をしたのかあんまり覚えてない。



気がつけば藤本さんと話しをしていたし、気づけばお風呂のタイルを磨いてた。



手がかじかんで、ブラシを握る手に力が入らず息を吐く。



息は白いモヤとなって消えていった。



冬のお風呂掃除は地獄だなぁ…