「襲っちゃえばよかったわ」



「な、何言って…」



「そしたら俺を心底嫌ってくれたかもしんねぇ」



目元に腕を乗せて、自嘲気味に幹也さんは言う。



その一言は、どうしようもなく胸を刺した。



「それか、俺のテクニックに惚れてくれるかのどっちかだったな」



「…なんですか、それ」



わざとそんな冗談を言う幹也さん。



私はただ一言、それだけしか言えなかった。



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