幹也さんは眉間にしわを寄せて私を見ている。



はぁ?と言葉通りの難しい顔をして。



「いつか伝わるかもしれないって思うことの何がいけないんですか…?」



「バカバカしいって思うよ、俺は」



「10回やってもダメなら50回。それでもダメなら100回。100回目に努力が実るとして、幹也さんは50回で諦めちゃうってことですよね」



私の言葉に幹也さんは一瞬眉をピクリと動かした。



それでも納得いかなそうに口を開く。



「それがもし1万回目だったら?ゴールの見えない努力なんて俺は…」



「何としてでもゴールしたかったら諦めません。私は」



それが例え途方もない数字だったとしても。