「あんのかよ…」



すると幹也さんは大きな大きな溜め息をついて、頭をガシガシとかいた。



イライラしてるだろうことは手に取るように分かる。



「言っとくけど、あいつもう誰のことも好きにならねーよ」



「…そう、ですか」



「もしあいつに気があんなら、それ無駄な想いだからやめとけよ」



心を抉るようで



なんだか悲しくて



無駄な想いなんて、きっとないのに。