その背中を呼び止める声は、私にはもうなかった。



小さくなる姿になんとも言えない感情が湧き出てくる。



「あ、お茶お茶」



私もそんな詩織さんに背中を向け、本当の用事を思い出す。



5人分のお茶を用意して、ゆっくりと注ぐのだった。