そこでバッタリと、荷物をまとめた詩織さんと遭遇。



「あ…」



「…」



あからさまに顔を逸らして行ってしまう詩織さんに



「あ、あの…!帰るんですか…?」



私は反射的に声をかけた。



「父が偶然早く帰ってこれるらしいので。…お邪魔しました」



淡々と話す詩織さんには、苛立ちが滲み出ている。



「…わ、私、羨ましかったんです」



さっさと背を向け帰ろうとする詩織さんに向かって、私は無意識に言葉を発していて。