なんとなく、その場の空気が変わった気がした。



「…詩織は俺の婚約者だったんだよ」



躊躇うことなく話しだす蒼さん。



「お互い好き同士だと思ってた」



小さく浮かべられた笑みは、どこか寂しくて。



「結婚すると思ってた」



消えそうで。



「でもあいつ、俺がテレビの仕事やってるときに隠れて浮気してたみたいで」



笑えるだろ?と自嘲しながら。