「ねぇ蒼、私が入れるってば…!」



それでも食い下がらず、詩織さんが無理やりコーヒーを入れようとしたとき



「詩織のコーヒーはもう俺の味じゃないんだよ」



今度は蒼さんがそのカップを奪い取った。



「え…?」



「はい、結衣ちゃんお願い」



眉を寄せ、困ったように見上げる詩織さんを見ずに私にカップを渡す蒼さん。



私は不安になりながらもコーヒーを作り、



「は、はい…」



渡した。