自分の声が小さすぎて笑えるほどだ。



「何が違うの?嘘つかないで」



「おいやめろよ2人とも…」



この険悪な空気を断ち切ろうと郁人さんが詩織さんを制す。



だけど



「ねぇ蒼なんとか言ったら?ちゃんと突き放してあげなきゃ可哀想よ」



蒼さんの腕に触れながら会話を続ける詩織さんに、もはや郁人さんの声は届かない。



私はただ唇を噛んで俯くしかなかった。