それぞれの席へ料理を運ぶ。



「…何かありました…?」



幹也さんの前へ料理を置きながら小声で聞いてみた。



「…え?」



「…元気ないみたいなので…らしくないなと思って」



コップに水を注ぎながら言った私に、幹也さんは「あー」と言葉を濁らせる。



「…私で良ければ話し聞きますよ」



「…あとで話すよ」



幹也さんの言葉に小さく頷き、自分の席へ戻ろうとしたとき



「…話さなきゃいけないことだし」



そんな声がボソリと聞こえ、振り向いた時にはもう幹也さんは私を見ていなかった。