掃除機がカーペットを巻き込んだ音でハッとする。



ボーッとしてた。



心が忙しくて仕方ない。



主に蒼さんのことだけど。



郁人さんの部屋を隅々まで綺麗にして掃除機のスイッチを切った。



「結衣さんおはよ」



「おわっ…お、おはよう悠くん…」



スイッチを切ったと同時に後ろから声がしてビクッと体が跳ねた。



振り返ると、いつもの可愛らしい笑みのない悠くんが。