「まだ抵抗するんだ」



薄ら笑いを浮かべるその表情はもう



「黙って従ってればいいのに」



悪魔に見えた。



「…っ最低…」



つい口をついて出た言葉に蒼さんは尚も表情を崩さず。



いや、むしろその笑みは大きくなってるようにも感じた。



「また明日ね、結衣ちゃん」



ヒラヒラ手を振る蒼さんは、まるで何もなかったかのように部屋へと戻っていく。



私は唇を噛み締めて、その背中を見つめることしかできず。



暗く長い廊下が、いつもより不気味に見えた。