「今日部屋ちゃんと掃除した?」



「え、しましたけど……それはどういう…」



「窓のサッシ、ホコリついてたんだけど」



「う、うそ」



まるで姑のようなことを言う郁人さんは、ホコリを確かめたであろう人差し指を見つめている。



たしかに今朝は急いでたからいつもより簡単に済ませたけど…



「テレビに郁人さんたちが出るって聞いてたので、楽しみでつい急いじゃって……ごめんなさい」



ここは素直に謝るしかないと思い、そう言ってしっかりと頭を下げた。



どんな言い訳をしようと私は執事として雇われた身。



仕事の手を抜いたのも事実。