「頭のいい生徒なら考えすぎてしまわないか」



「あ、あの…」



先生がアタフタし始め、てっぺんのフワフワした毛が風になびく。



「優等生で非のうちどころがない生徒には、本当の自分を出せているのか、無理してはいないか……そういうのを見るべきなんじゃないんですか」



悠くんからの視線が痛い。



めっちゃ見てる。



やっぱり言いすぎた、でしゃばりすぎた。



「…って私の恩師が言っておりまして……」



語尾がフェードアウトしていく。



最後に居たたまれなくなるくらいなら最初から言うなよという声が聞こえてきそう。