何を言うかなんて簡単に予想ができた。



「不安に思ってることはありません。とても良い子で優等生なので」



チラッと悠くんを見ると、何も言うまいと無表情を浮かべている。



「不安に思うことがない生徒っているんですね」



「はい…?」



ここで私のよく言えば素直な性格、悪く言えばお節介が発揮された。



「元気な生徒なら調子に乗りすぎないか。静かな生徒なら社交性はどうか」



私はただの執事の身。



こんなこと言える立場ではないことも重々承知のうえで止められるわけはなかった。