「では、私は暇ではないのでこれで。
行きますよロイ、ロッチェ」

「「ぐぇ」」



美女は双子の襟首をむんずと掴んで引きずっていった・・・・・・えええええ!?

あの麗しい美女がちょっと筋肉質っぽい双子をなんなく引きずってる!?

怪力!?怪力なの!?


そりゃ、美女の方が身長高かったけども・・・。



強烈な美女だったなーと思っていると。

ラギアがさらっと爆弾を落とした。



〈エリィは男だ〉


『はあ!?』



あのさらさらの綺麗な長髪で!?

あの長いばさばさの睫毛で!?

あのおしとやかな雰囲気で!?


男!?



ていうか、ドレス着てたよね!?

すごく綺麗なコバルトブルーのマーメイドドレス!!!



〈うん。女装中だったから〉

『女装・・・』


濃ゆい。

エリィさん濃ゆい。


でも確かに女性にしてはずいぶんと背高いなー声低いなーとは思ったけど・・・。

いやでもドレス似合いすぎじゃない!?

艶やかな赤い唇には確かに女の色香を感じたんですが!



私、女子度では彼女、じゃない彼に負ける自信あるよ?負ける自信しかないよ?





愕然としている私にラギアは言った。


「俺らも行くよ」

『えと、どこに?』

「俺の寝床」

「らぎあのなめこ?」

〈寝床〉

『寝床・・・え、なんで?』

〈邪魔になるから〉

『邪魔・・・?』



いまいち意味がつかめない私をそのままに、ラギアはすたすたと歩き始めてしまう。

私は慌ててその後を追った。